2015年12月12日土曜日

泣きたいほどの淋しさだ / I'm So Lonesome I Could Cry



泣きたいほどの淋しさだ
I'm So Lonesome I Could Cry

僕が知っている、もっとも寂しい曲だ
         エルヴィス・プレスリー


Hear that lonesome whippoorwill
He sounds too blue to fly
The midnight train is whining low
I'm so lonesome I could cry

Did you ever see a robin weep
When leaves begin to die?
Like me, he's lost the will to live
I'm so lonesome I could cry

The silence of a falling star
Lights up a purple sky
And as I wonder where you are
I'm so lonesome I could cry


あの独りぼっちの夜鷹の声を聴いてごらん
淋しくて飛べないといっているよ
夜汽車は低くすすり泣き
僕もあまりの淋しさに泣き出しそう

こま鳥が嘆き悲しむのを聞いたことがあるかい
木の葉が死んでゆく頃に
あれは生きる望みを失ったということなんだ
僕もほんとに淋しくて泣きたいほどさ

流れ星が音もなく
紫の空を染めて落ちてゆく
あれは君が何処に居るのかと思う僕みたい
あまりにも淋しくて泣きたいほどさ
僕はほんとに淋しくて、泣きたいほどなのさ





オリジナルはカントリー・シンガーのハンク・ウィリアムス
時代やジャンルを超越して多くのシンガーにカヴァーされ、歌い継がれて来た名曲です。

エルヴィス・プレスリーは、「僕が知っている、もっとも寂しい曲だ」と紹介して歌い始めます。しかしそれほどのインパクトを感じなかったのが正直な気持ち。エルヴィスがなぜ、そう言ったのか、エルヴィスの心を知りたくなった曲。曲よりそのコメントにインパクトがありました。

しかし時を重ねるほどに、その意味がおぼろげに分かってきました。


愛する人を失った哀しみを切々と語ります。それだけならエルヴィスは「僕が知っている、もっとも寂しい曲だ」と言わなかったでしょう。

この歌は主人公である僕を超えて失った彼女も、夜鷹も、夜汽車も、こまどりも、木の葉も、流れ星さえ、みんな寂しいのです。みんなが泣いているのです。そこにこの曲の凄みがあります。これは事実上「死」の歌です。

エルヴィスならもっと悲しく感情的にどのようにでも歌えます。それを抑えてエルヴィスは俯瞰するように淡々と歌います。死んでしまったものに感情はない。花を捧げるかのようなエルヴィスの魂を感じます。

あの独りぼっちの夜鷹の声を聴いてごらん
淋しくて飛べないといっているよ

こま鳥が嘆き悲しむのを聞いたことがあるかい
木の葉が死んでゆく頃に
あれは生きる望みを失ったということなんだ


 


ホノルルライブではやはり同じく失恋の曲愛さずにいられないを続けて歌いますが、<泣きたいほどの淋しさだ>の後では、まるで憂さ晴らしをするかのような勢いです。





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